苫小牧市で新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を終えた人は、14日現在で推計約4万5000人に達した。接種券が届いた市民の約4分の3が受けた計算で、市健康支援課は「順調に進んでいる」と説明する。人口(17万人)に対する接種率は26・5%で、全国平均(15日現在)の31%を下回っているが、16日から3月分の接種券配送も始まり、想定通りの進み具合となっている。
3回目接種の対象は2回目終了後、一定の期間が経過した18歳以上。昨年12月に医療従事者から始まり、15日までに市民5万1500人に接種券を送った。個別接種(52医療機関)は米ファイザー製、集団接種(毎週木~土曜日、グランドホテルニュー王子)は米モデルナ製とすみ分け、集団は2回目接種から6カ月経過で打てる「先行接種」も展開している。
市は、先行接種が国のワクチン接種記録システム(VRS)に反映されるまで時間がかかるなどの理由から、接種者と接種率を推計値で出している。14日現在の3回目接種終了は推計4万5054人で、推計分は接種券を持たない市民への先行接種を中心に約6000人という。対象者(12万5000人)に対する接種率は36%、接種券配送者に対する接種率は最低でも75%となる。
一方、市内の1、2回目接種は9割近くがファイザーだったため、3回目はモデルナが「不人気」。集団会場の予約枠は常に空きがあるため、2、3月は「余剰分」を先行接種に回し、1日300~450人が利用している。ただ、1、2回目はファイザー、3回目がモデルナで得られる抗体価が高いという報告もあり、先行接種分に限れば予約枠はほぼ埋まっている。
市は16日から4月1日かけて昨年8月の2回目接種者、65歳以上は同9月の2回目接種者の計約2万6000人に接種券を送っている。同課は「2回目を打った市民の多くは3回目への意識も高い」と推測し、「モデルナであれば比較的早く打てる。3、4月と接種がさらに進めば」と期待している。