胆振管内で新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりしている。オミクロン株による「第6波」では、2月中旬をピークに減少傾向だが、そのスピードは増加と比べて緩やか。週合計の感染者数はいまだ700人前後と、昨秋の「第5波」ピーク時の約5倍に上る。道内は21日にまん延防止等重点措置の期限を終える見通しだが、苫小牧保健所は「引き続き感染防止行動の徹底を」と訴えている。
胆振管内の週合計新規感染者数は1日以降、600~700人台で推移している。全道の傾向に歩調を合わせる形で緩やかに減少しているが、15日には704人と3日ぶりに700人台に上昇。国も緊急事態宣言を出していた昨年5月17日の「第4波」ピークの182人、同8月22日の「第5波」ピークの136人を大幅に上回っている。
管内の「第6波」は1月上旬に拡大が始まり、同17日に週合計感染者数183人と過去最多を更新した。その後も16日連続で最多を更新し、週ごとに感染者数が数倍ずつ急拡大。2月12日にピークの1556人に達した。現在はおおむね減少傾向にあるが、苫小牧保健所は「慣れてしまった部分もあると思うが、感染者数は極めて多い。対策を緩めないでほしい」と強調する。
同保健所管内の東胆振1市4町では10代以下の感染が目立ち、その親など家庭内に感染が広がっている現状という。14日に日帰り治療の医療提供ステーションも開設されたが、自宅療養者は1日当たり800人前後で推移しており、「特に苫小牧市は、前週(6~12日)の感染者数が増加に逆戻りした」と危機感を募らせる。
3、4月は異動や転勤、卒業、新入学など人の動きや集まりが活発になる。同保健所は「重点措置が終わったとしても『それでよし』というわけではない」と警戒し、「マスク着用や換気、『黙食』の励行など感染防止行動を徹底し、家庭に持ち込まない、家庭内でうつさないようにしてほしい」と訴えている。