道は新型コロナウイルスの新規感染者数が依然として高い水準にある東胆振の医療提供体制を強化しようと、苫小牧市内に「医療提供ステーション」を14日に開設する。軽症者向けに初期の治療を日帰りで行う、道としては初めての取り組み。4月28日までの臨時設置とする方針で、市に事業を委託する。
医療提供ステーションは必要な人に、必要な医療を提供する狙い。自宅療養者向けに日帰り医療を提供し、市立病院など感染症指定医療機関の負担を軽減する。医師・看護師による医療チームが往診し、重症化を防ぐ抗体カクテル療法など軽症者向け初期治療を想定している。
月~土曜日の午後1時~同7時、ベッド6床体制で開設し、患者の治療は1日最大12人。場所は患者のプライバシー保護や周囲の風評被害を防ぐため非公表とし、市が患者を自宅から同施設まで車両で送迎する。
市は事業の受託に向けて8日、ステーション設置事業費約4700万円(全額道費)を2021、22年度一般会計補正予算案に計上し、市議会定例会に追加提案した。11日にも可決される見通しで、市は施設の運営業務全般を担い、市医師会(沖一郎会長)が医療従事者を派遣する。
札幌市にホテル療養で初期の治療を行う施設はあるが、道が日帰りの治療施設を設置するのは初めて。東胆振地域ではこれまで療養施設もなかったが、同施設で自宅療養者への医療提供体制が強化される。