胆振総合振興局は21日、新型コロナウイルス感染症対策地方本部員会議を開き、最新の感染状況を公表した。2月の管内新規感染者数は20日現在3771人で、月別の過去最多だった前月(1639人)の既に2倍以上。12日をピークにやや減少傾向だが、管内の約4分の3を占める苫小牧市は感染者数、療養者数、病床使用率の指標が全道平均を上回る。同市内で感染が初確認されて22日で丸2年、依然として収束は見通せない。
苫小牧保健所管内(胆振東部1市4町)では19日現在、病床使用率は76・7%で、全道平均38・3%、札幌市を除く道央圏49・2%を大きく上回る。人口10万人当たりの週別新規感染者数は管内476・1人、うち苫小牧市内517・6人と、全道平均の同365・7人を大幅に超える。人口10万人当たりの療養者数は管内678・7人、うち市内675・6人で、全道平均537人の3割弱増し。道の主な指標で軒並み全道平均を上回る。
一方、胆振管内、苫小牧保健所管内とも12日をピークにやや減少傾向にある。週別新規感染者数は、胆振のピーク時1557人に対し、20日現在は1234人と約2割減。苫小牧保健所管内は1286人に対し945人で3割弱減。ただ、昨年8~9月の「第5波」では苫小牧市内の感染が目立ったのに対し、現在は全市町で感染者が出続ける状況で予断を許さない。
感染者数の増加に伴い、重症化リスクの高い高齢者にも感染が及んでいる。疫学調査の重点化などに伴い、クラスター(感染者集団)公表の対象から事実上外れている学校、幼稚園などでも同一施設から複数人が感染し、家族に広がる状況も確認されている。管内で発生したクラスター(20日現在)のうち、医療施設が1月に1件217人、2月に8件288人、福祉施設などは1月に5件88人、2月に5件110人と過去最多の更新が続く。会議で同保健所の柴田みゆき次長は「60代以上が2割ぐらい。基礎疾患を持つ方も一定程度いる」と危機感を募らせた。
本部員会議はまん延防止等重点措置の延長に伴って招集された。谷内浩史振興局長は「若干の減少傾向だが、連日100人を超える感染者数で高い水準」と強調し、「引き続き対策を継続しながら、感染者数の着実な減少が必要。各家庭のマスク着用、手指消毒など一人一人の感染防止行動の徹底をお願いしたい」と訴えた。