苫小牧市は10日、新型コロナウイルスワクチン3回目接種の集団接種会場をグランドホテルニュー王子(表町)に開設した。毎週木~土曜日の午後2時~同6時、米モデルナ製を使い一日上限600人を受け入れる。初日は65歳以上を中心に市民464人が接種し、11日には2回目接種から6カ月経過で打てる先行接種も始まった。
市の一般市民向け3回目接種は、昨年6月までに2回目接種を終えた65歳以上約2万1000人に、接種券を1月19~2月1日に送付。個別(52医療機関)はファイザー、集団はモデルナとすみ分け、個別は1月下旬から接種している。
集団会場の2月末までの予約状況は、ワクチン量5400人に対し、3774人、予約率約70%にとどまっている。市は「余剰分」の活用策で11日以降、先行接種枠を一日上限300~450人で用意し、すでに予約枠は埋まっている。
集団会場は受け付け、予診、接種、状態観察まで動線を明確にし、市医師会の医療従事者15人、市とホテルの事務スタッフ25人の約40人体制で開設。初日は高齢者が予約時間に合わせて続々と訪れた。
市内表町の錦戸一美さん(77)は「これで安心。モデルナでも不安はなく、早く打ててよかった」と笑顔を見せつつ「まだコロナはどこでうつるか分からない。迷惑を掛けないよう家にこもっています」と話していた。
接種券は今後、昨年7月の2回目接種者約2万人に16~28日、同8月の2回目接種者(65歳以上は同9月も含む)約2万6000人に3月16~4月1日、送付する予定。3月以降も、集団会場の予約が埋まらなければ先行接種枠を設ける。
会場を視察した岩倉博文市長は「1人でも多く、1日でも早く、ワクチン接種を進めたい」と強調し、「ワクチンの効果は世界的に証明され、(1・2回目と3回目のワクチンが異なる)交差接種の効果が高いデータもある」と集団会場の利用を呼び掛けていた。
集団会場は3月末までを「第1弾」とし、4月以降の「第2弾」は予約状況などを踏まえて調整する。