新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、感染者の家族など同居している濃厚接触者で発熱など症状があった場合、検査せずに医師が感染者とみなす「みなし陽性」の運用を、苫小牧保健所は7日以降に導入する。健康観察の対象や期間など運用の細部を詰めており、保健所は「皆さまが混乱しないよう体制を整えたい」としている。
鈴木直道知事は3日、全道で「みなし陽性」の運用を始めると発表した。家庭内感染の事例も増える中、検査の時間や手間が省けるため、医療機関や保健所の負担軽減、療養期間の短縮が期待される。
同保健所は「みなし陽性」の運用を、重症化リスクのない40歳未満のうち、ワクチンを2回接種した人を対象にする方針。「重症化リスクのある人は今まで通り検査する」とし、医療体制や保健所業務が逼迫(ひっぱく)する中、検査や医療を必要とする人に重点的に届ける意義を強調する。
一方、みなし陽性は感染者として登録されるが、取り扱いは疑似症患者のため、フォローアップの在り方や医療機関への周知など、詰めが必要な部分があるという。苫小牧市医師会(沖一郎会長)と協議した上、7日以降に運用を開始する考えだ。
沖会長は「コロナ感染が広がり、いまやインフルエンザ以上。検査数も増えており、マンパワー不足はいかんともしがたい」と運用に理解を示す。その上で「(危険性が高い)2類感染症ではあり得ない話。本筋ではない」と指摘し、飲み薬も簡単に使用できない現状などから「必要な見直しも進めてもらえれば」と話している。