アジアリーグアイスホッケージャパンオフィスは4日、全国的な新型コロナウイルス感染拡大を受けて5、6両日に予定されていたジャパンカップ後期リーグ4試合の延期を発表した。所属チームなど一部からは開催前日の突発的な判断を疑問視する声が上がっている。
延期が発表されたのはひがし北海道クレインズ―横浜グリッツ(帯広市)、栃木日光アイスバックス―東北フリーブレイズ(栃木県日光市)。ジャパンオフィスは1月中旬に釧路市で行われたひがし北海道―東北で選手、競技役員、観客を巻き込んだクラスターが発生したこと、その後も各チームで新型コロナ陽性者が出ていることなども延期の理由に挙げた。
2月19日以降に予定している試合については実施の方向で進めているというが、延期した4試合の代替日程は未定。
この決定を受けて、ホーム開催に向けて準備を進めていた栃木日光はホームページ上で▽各チームとの事前協議や合意形成の会議等が開催されない中でのアジアリーグチェアマンによる決定はガバナンス上、合理性と正当性を欠く▽栃木県日光市では国民体育大会(1月27~31日)が開かれ、他競技においても試合が実施されている―ことなどを事務局側に提示したが、回答のないまま一方的な中止判断に至った―と批判。第三者を含めた調査が必要としている。
また、昨年3月に結成されたアジアリーグ国内各チームの所属選手や海外プロチームなどの日本人選手が名を連ねる日本アイスホッケー選手会(福藤豊会長)は4日に声明を発表。「開催前日の練習後にこのような報告を受け、大変困惑している」とし、「選手会は決してコロナ禍で強硬に試合を開催してほしいわけではない。試合を楽しみにしているファンの皆さま、開催のため準備しているチーム関係者、選手を置き去りにするようなことは最後にしてほしい」と問題解決のため、意見交換の場を設けることを求めた。