【北京・石井翔太】北京冬季五輪のアイスホッケー女子は3日、予選1次リーグ4試合が行われた。グループBの日本は、DF小池詩織(道路建設ペリグリン)の先制ゴールなどで初戦のスウェーデンに3―1で競り勝って好スタートを切った。日本が五輪初戦で勝利するのは初めてで、予選突破に大きく弾みをつけた。次戦は5日、デンマークと対戦する。
予選リーグはグループA、B各5チームが出場。Aの5チームとBの上位3チームが11日からの決勝トーナメント(準々決勝)に進出する。
▽予選リーググループB
日 本(勝点3)3―1スウェーデン
▽得点者【日】小池(久保、大澤)浮田(志賀紅、志賀葵)米山(小山、細山田)▽GK【日】藤本
日本が終始試合を優位に進めた。シュート数はスウェーデンより13本多い40本。同点で迎えた第3ピリオド、FW浮田の鮮やかなミドルシュートで勝ち越すと、スウェーデンに反撃の隙を与えなかった。
▽同A
チ ェ コ(勝点3)3―1中 国(勝点0)
カ ナ ダ(勝点3)12―1ス イ ス(勝点0)
米 国(勝点3)5―2フィンランド(勝点0)
▽女子1次リーグB組順位 (1)日本1勝、勝ち点3(2)チェコ1勝、3(3)スウェーデン1敗、0(4)中国1敗、0
― “大きな自信”価値ある1勝
試合内容を見ても、日本にとって価値のある1勝になった。国内合宿などで蓄積された力が随所に見える好ゲームだった。
第1ピリオド19分、スマイルジャパンの「元気印」、DF小池詩織が五輪第1号となる先制点。ベテランのFW久保英恵(SEIBUプリンセスラビッツ)もアシストで絡み、チームに勢いが出た。序盤で幾度となくチャンスをつくりながらも決め切れない重たい空気を吹き飛ばした。
同点で迎えた第3ピリオドには、FW志賀紅音(トヨタシグナス)のパスで右から抜け出したFW浮田留衣(Daishin)の強烈なシュートで勝ち越し。この1点が試合を決めた。浮田は「前を向いたらGKとの1対1で落ち着いて打てた」と冷静だった。
実戦機会が限られた中で迎えた五輪の初戦で大きな白星を勝ち取ったスマイルジャパン。FW大澤ちほ主将は「狭いリンクの中で体のぶつかり合いが多かったけど競り負けなかった。ルーズパックを早く拾って自分たちの攻撃につなげることができた。自分たちの時間帯を長くつくれたのが良かった」と大きな一歩に、自信に満ちた表情を浮かべた。
―日本、大舞台で雪辱果たす
日本(世界ランキング6位)にとって、スウェーデン(同9位)は因縁の相手。2014年のソチと18年の平昌大会の初戦で激突し、どちらも1点差で敗れていた。
国際アイスホッケー連盟が2日にホームページに掲載した記事で、五輪取材豊富なカナダ人記者が「予選リーグで番狂わせが起きそうな試合は?」との問いに日本―スウェーデンの試合と答えた。長らく格下に甘んじてきた日本に勝機があるとした上で「数十年前なら『下克上』だったかもしれないが、今はそうではない」と日本を高く評価していた。
その言葉の通り、日本は序盤から優勢を維持し、敵陣でプレーする時間が長かった。初戦の硬さを感じさせないプレーに、飯塚祐司監督は「もっとばたつくと思っていたが試合の入りは想像以上に良かった。非常にいいスタートを切れました」と語った。