《5》 優良賞 「『できない』世界の中で」 明倫中学校2年 田中 葵さん

  • 特集, 苫小牧市中学生主張発表大会
  • 2022年1月18日

 新型コロナウイルス感染症が拡大し始めて、2年。私たちの生活は大きく変わりました。中学生の私たちにとっては「できない」ことが多くなったということが実感としてあります。

 中学校の入学式では、保護者・先輩方の参加はなし。体育祭は中止。ウイルスとの戦いに何の見通しもない中、いろいろな「できない」ことが出てきました。学校祭が近づいてきて学校祭の中止も決まりました。先輩方から「明倫の合唱はすごい」と聞いていて、学校祭で先輩方の合唱を聞くことや自分たちが仲間と協力して合唱を作り上げることを楽しみにしていたのに残念で仕方がありませんでした。

 私は、「体育祭も中止だから、学校祭もどうせ中止だ」とあきらめていました。でも、先生方や生徒会役員の先輩方はあきらめていませんでした。密にならないように小集団で活動できるようなこと、密にならないような競技にすることなど、工夫と発想力で「できない」はずだった体育祭、学校祭の制作に変わるような明倫フェスティバルというものをやり遂げたのです。「できない」という絶望の中で「できる」工夫から一つのものを作り上げたのです。

 今年は、合唱はできませんが、学校祭自体は開催できることになりました。私は演劇に挑戦することにしました。体育館が密にならないように、体育館で演技している姿を教室でみるという工夫をすることになりました。見えないお客さんに向かって演技をするということで動きを大きくする、声を今まで以上に張ることが求められました。役者として、台詞を覚え、演劇の中にある、よさこいの練習をして、と、忙しい毎日でしたが、昨年と違い学校祭ができる喜びを実感していました。そんな学校祭の準備の最終段階、突然の緊急事態宣言。演劇の開催自体が怪しくなってしまいました。また、「できない」に負けてしまうのか。と思っていると先生方からかなり無茶な提案。「演劇はマスクをつけて」…。マスクをすると声が通りづらくなるだけでなく、見ている人に誰が話しているかわかりにくくなります。その上、ただでさえ、体力的に大変なよさこいを、マスクを付けたまま踊るなんて…。私は「無茶だ」と思ったのですが、演劇をする仲間からは意外にも後ろ向きの言葉は少なく、「じゃあ、もっと大きい声でやらないと」「大きな身振り手振りで誰が話しているかわかりやすくするといい」「よさこい、苦しいけどやり遂げよう」という声。「できない」中で「できる」を探し、新しい道を進んで来た私たちは、いつの間にか工夫と想像力で「できない」ことの中でも「できる」ことをやるという発想力を身に付けていたのです。苦しい中でさらに苦しいことを乗り越えた演劇だったので、さらに大きな達成感を味わうことができました。

 新型コロナウイルスと戦う日々にゴールが見えてこない状況は、あまり変わっていません。これからも学校生活の中で「できない」ことがたくさん出てくることでしょう。どんな工夫をしたところで「コロナ前の方が良かった」という気持ちはぬぐえないかもしれません。でも私たちは「コロナで我慢ばかりさせられた」世代ではありません。「コロナの中でできることを探して工夫と発想力で戦い続けた」世代なのです。こんな時代だからこそ自分たちの強さを見つけられたのかもしれません。「できない」世界の中で「できる」ことを探し続け、これからも新しい道を探し続ける自分でこれからもいたいと考えています。

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