第89回全日本アイスホッケー選手権大会A(日本アイスホッケー連盟主催)が16~19日、長野・ビッグハットで開かれた。冬季五輪(1998年)開催の地で大学生、社会人、アジアリーグ加盟の12チームが白熱したトーナメント戦を繰り広げ、ひがし北海道クレインズが連覇を達成。苫小牧のレッドイーグルス北海道は4位、ダイナックスは2回戦敗退という結果に終わった。
クラブ化初年度で全日本タイトル獲得を目指したレッドイーグルスは、初戦の2回戦から苦しい試合が続いた。開催中のアジアリーグジャパンカップでは4戦4勝の横浜グリッツに一時リードされるなど、ひやりとしながらも5―3で勝利。続く準決勝の東北フリーブレイズにもジャパンカップでは負けなしだったが、中盤に4失点し一時3点差をつけられた。
第3ピリオドに持ち味の数的優位なパワープレーなどで得点し詰め寄ったが、「これだけ失点が多いとさすがに勝てない」と菅原宣宏監督が言うように3―5で逆転には至らず、前身の王子時代を含め3大会連続で準決勝突破を果たせなかった。
気持ちを必死に切り替えて臨んだ栃木日光アイスバックスとの3位決定戦では終始先行され、3度同点に追い付くも延長戦で力尽き3―4で競り負けた。開催中のジャパンカップで発揮していた1試合平均4.1得点、1.9失点の攻守に秀でた姿はなく、選手交代のタイミングを見誤ったことによる数的不利な状況をつくっての失点など、致命的なミスも目立った。
新型コロナウイルスによるアジアリーグ勢のみの参加に限定された昨年大会(青森県八戸市)をのぞき、18年、19年大会に続いて歴史ある舞台に挑んだダイナックス。感染症まん延で使用リンクの休館など満足のいく練習ができない中、1カ月足らずで構築した守備的なプレースタイルが機能した。
1回戦は運動量豊富な関東大学リーグの強豪中央大をベテランGK大澤啓太(42)を中心に抑えて3―1で粘り勝ち。続く東北との2回戦では「貪欲にゴールへ向かった結果」と胸を張るFW今村健太朗(28)の2ゴールなどで、第1ピリオドは一進一退の攻防を演じた。
第2ピリオド以降は押し込まれる場面こそ多くなったが、最後まで体を張った守りで失点を抑え2―5。大澤洋介監督は「選手みんながハードに戦ってくれた。今後につながる」と手応えをつかんでいた