6アイヌ丸木舟の発見 本紙の落とし物コーナーきっかけで貴重な文化財

  • 特集, 記者ノートから2021
  • 2021年12月21日

 今年3月、アイヌ民族が遠洋漁業などに使ったとされる丸木舟(イタオマチプ)が55年ぶり苫小牧市内で見つかったというニュースを報じた。本紙第3社会面の落とし物コーナーがきっかけとなったこの記事はこのほど、文化通信社の「ふるさと新聞アワード」初代グランプリを受けることになった。

 いきさつは、こうだ。苫小牧民報の警察担当記者の朝は、警察署の会計係で落とし物の記録簿を見せてもらうところから始まる。大切な物を無くして困っている人たちのための落とし物コーナーは50年前の1971年2月に始まっており、今日まで休みなく続いている。

 最初に落とし物コーナーに「丸木舟」の記述があるのを見つけたのは、同僚の記者。丸木舟は1965年に旧勇払川で発見され、66年に引き揚げられた北海道指定有形文化財だ。そこら辺に落ちているようなものではない。半信半疑で副署長に尋ねると、「詳しい話は美術博物館に聞いてほしい」と言われた。

 少し大げさだな―と思いつつ同館の関係者に「丸木舟が見つかったようだが」と問い合わせてみると「誰から聞いたのか?」と驚いた様子。これで本物らしいという確信を得て、本格的に取材を進めた。

 見つかった2隻の年代は、今後の調べで明らかになるだろう。先に見つかった丸木舟は後の調査で、1130~1200年代のものと推定されている。今回の舟の年代判明により鎌倉末期からいつ頃までアイヌが丸木舟を使い、海路や水路を行き交っていたか見えてくるかもしれない。

 新たな丸木舟の発見を報じることができたことで地域の文化、歴史を1日ごとに記録するという地元紙の存在意義の一端を改めて示せた―と、同僚らと喜びを分かち合っている。

 (半澤孝平)

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