感染は拡大から大幅な減少へ―。新型コロナウイルス流行2年目となった2021年、道内では1カ月以上にわたる緊急事態宣言が2度発令され、苫小牧市内の公共施設はその都度、臨時休館を余儀なくされた。主に文化活動の取材を担当する記者にとっては感染状況に合わせ、取材アポイントの増減が著しい1年となった。
21年の道への宣言発令は、5月16日~6月20日と8月27日~9月30日。感染状況を注視しながら手探りで行われていた文化団体の活動や展覧会などの催しは、外出自粛要請で一斉に白紙に。取材で会う約束をしていた人からも「感染が落ち着いてからにしたい」とキャンセルが相次ぎ、身動きできない状況が苦しかった。
2度目の宣言が解除された翌日の10月1日。いわゆる「第5波」が収束しつつあり、各公共施設が活動再開に向けて一斉に動きだした。休館中でできなかった講演会、展示会のほかサークル活動や子どもたちが練習の成果を披露するバレエ、ピアノ、演劇などの発表会なども次々と開かれた。一人では取材が追い付かないほどで、うれしい悲鳴を上げた。
10~11月の「市民文化祭」も規模を縮小して無事に開催。総合体育館での「総合展示発表」では、これまで取材してきた団体や個人が一堂に会し、会場のあちこちに笑顔が広がった。写真や絵画、工芸品など作品を通じて話を弾ませる姿は久々で「仲間と再び活動できることがうれしい」という声を聞いてほっとした。
同月以降、幸いにもコロナの新たな波が来ていないこともあり、市内を忙しく駆け回る日々だ。ただ、新変異株「オミクロン株」が世界中で拡大の動きを見せるなど、予断を許さない状況は相変わらず。来年もこのまま、市民が生き生きと文化活動に取り組める日々が続いてほしいと心から願う。
(小玉凜)