苫小牧市の新型コロナウイルスワクチン接種は10日現在、1回目の接種率が51・6%と過半数となり、うち65歳以上接種率は90%に到達した。市内4カ所の職域接種を除いた速報値のため、実際の接種率はさらに高い。一時は滞っていた国からのワクチン供給も順調で、市健康支援課は「接種希望者は予想以上に増えている」と分析している。
市内46医療機関の個別接種と、常設の集団接種(現在グランドホテルニュー王子のとまこまいワクチン接種センター)の速報値。12歳以上の市民15万4500人に対し、1回接種は7万9744人、2回接種は6万7135人で接種率は43・5%。このうち65歳以上は5万2175人に対し、1回接種は4万6943人、2回接種は4万5653人で接種率87・5%。
優先接種を終えた医療従事者、市外在住者を含む一方、ハスカッププラザ、トヨタ自動車北海道、王子製紙、苫小牧廃棄物協同組合の職域接種は集計していない。職域接種ではすでに2万人以上が1回目接種を終えているため、同課は「実際の接種率は全国(13日現在2回目接種率50・9%)と比べても低くないはず。希望者に混乱なくワクチン接種を進められている」と強調する。
7~8月には国からのワクチン供給量が一時的に減り、市も接種券の発送スケジュール見直しを余儀なくされたが、現時点では当初スケジュールの前倒しも視野に入るほど順調。12日のクール(1クール=2週間)は5万2000人分が配分され、接種券を受け取った人全員が希望しても足りる量を確保できたという。市は17日までに35歳以上への接種券配布を終え、残る12~34歳への接種券配布も10月上旬を計画している。
同課は「職域接種もあり、速報値以上に若い人への接種は進んでいる」と分析しつつ「年齢が若いほどかかりつけ医がいない人も多いと思う。集団接種会場を効果的に利用してほしい」と話している。