上 厚真町 宮坂尚市朗町長 新たな人材育て人口増へ  「取り残されている」心の傷抱える町民も

  • 特集, 胆振東部地震から3年 被災3町長インタビュー
  • 2021年9月7日

 2018年9月の胆振東部地震発生から6日で3年を迎えた。大きな被害を受けた厚真、安平、むかわ3町の町長に現状や今後の課題などを聞いた。

 (胆振東部支局・石川鉄也が担当します)

 ―震災から3年を迎えた今の受け止めは。

 「置かれている立場でさまざまだが、取り残されている感を拭えない町民がいる。特にシニア層は発災当時を思い出し、日常を取り戻す手応えを感じられていない方が多い。新型コロナウイルスの感染拡大により人的交流が絶たれ、時間がたつのが遅いと感じているのではないか」

 ―復旧作業の状況は。

 「公共基盤、インフラは順調、あるいは既に終わっているが、胆振東部地震の特徴でもある山腹崩壊した森林の復旧は向こう10年を要し、来年度からようやく施行計画を立てていける状況。宅地耐震化も23年まで時間がかかる見通しだ」

 ―コミュニティー形成、まちづくりの展望は。

 「地震により約260人減った人口をどう回復させるか。特に被害の大きかった山間地は5割ほど減り、地域のコミュニティー再編が課題。しっかりと寄り添い、手を差し伸べたい。

 人口回復の視点は、シニア層が最後まで暮らしていける安心な生活を支えること。また、町外から厚真町で挑戦する人材を受け入れ、社会参画への貢献や、事業を始めて町の付加価値を高めてくれる方をサポートしたい。新たな芽を育てて人口増につなげていく」

 ―新たに建設予定の役場庁舎と現庁舎の役割について。

 「震災前から耐震性を考慮し、庁舎を建て替える計画だった。大きな災害、洪水に耐えられる防災拠点施設、対策本部の機能を果たす強靱(きょうじん)な庁舎に建て替えたい。

 現庁舎も一般の建物としては耐震性能を満たし、公共的なサービスも構造を強化することで可能。震災を乗り越えた建物として、記憶を後世に伝えるために残したい。

 歴史的建造物として指定された後に、建物を中心に文化的な施設を再構築するイメージ。皆さんが学習し、過去の記憶に思いをはせ、自身の成長、人生の質を高めるような文化的施設にする構想を考えている」

 ―震災遺構として残していくものは。

 「震災当時を振り返り、生で感じる場所として、復旧作業が続く日高幌内川周辺で岩盤が崩れた場所をそのまま残し、学習や研究で使ってもらう。それ以外に森林再生がテーマになるが、植樹を通して復旧を感じる機会を設けたい」

 ―町民の心のケアについて。

 「被災した方の心の傷は3年で癒えるものではない。コロナ禍により新たな傷を負っている人もいる。自治会の協力も得て社会参画する場面をつくっていきたい。町民と情報共有し、温かく見守っていくような取り組みを進めたい」

 ―震災の記憶を伝えるためには。

 「自然環境を見ていただくだけではなく、町独自に復旧から復興に向かう際、一人一人の悩みや努力を描いた人間ドラマを整理した記録誌を作り、次世代につないでいきたい。学校現場向けに副読本の改訂を進め、地震被害の大きさを伝えていく。それが他人ごとではなく、身近で自然災害が起きるということを共有する一助となれば」

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