私立の中高一貫校に通う中学1年生の堀内めぐは、生まれつき髪の毛が赤茶色だ。毎朝校門で行われる頭髪色素チェックで先生に注意され、「生まれつきです」と答える問答を行うのが嫌で、生まれつきの証明をもらうことにした。
すると生徒手帳に『赤毛証明』と書かれた大きな印を赤で押された。それは「あなたは普通じゃないです」と言われたような気がして腹が立ち、落ち込む要因となった。
めぐには幼なじみの紘(ひろ)がいて、紘は生まれつき両下肢欠損で膝から下がなく、車椅子だが、めぐにとっては生まれた時からの付き合いなので彼は特別ではない。
「普通」とは何なのか?を身近な所から考え始め、自分の気持ちの葛藤や理不尽と戦おうとする主人公の痛快さが面白く、読みやすい一冊である。
(くもん出版 税込み1430円)
苫小牧凌雲中学校 山口敦子