6 幻想的 世界最大の油彩画 新冠町 太陽の森ディマシオ美術館

  • 日高路の春, 特集
  • 2021年5月3日
世界最大の油彩画。圧倒的なスケールを誇る

  日高自動車道の日高厚賀インターチェンジから北に向かって車を走らせると、かつて小学校だった白い外壁と赤い屋根の建物が見えてくる。駐車場から入り口まで人や動物を模したオブジェが並び、敷地内に足を踏み入れた瞬間、非日常を感じることができる。

   2010年8月にオープンした。幻想画家ジェラール・ディマシオの絵画など作品約200点が展示され、特に縦9メートル、横27メートルの世界最大の油彩画が存在感を放つ。13年7月から作品の上下左右に鏡を設置し、絵がどこまでも続いているように見せる。陰と陽、善と悪、宇宙の始まりビッグバンなどが描かれ、1日8回、光と音の演出で想像力をかき立てられる。

   館内と別館のガラスの美術館では、ガラス芸術の巨匠ルネ・ラリックの作品約190点を展示。女性や動物をイメージした繊細で美しい作品は、どれほど見ても飽きることがない。

   館内はこの他、現代芸術作家の作品も並び、自由に写真撮影ができる。レストランとカフェも併設されており、ゆったりとした気分でコーヒーを飲み、ぜいたくな時間が流れる。

   新冠町で、他にはない芸術を体感できる施設だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、入館者は個人客が中心となっている。企画・営業統括部長の谷本晃一さん(49)はマスク着用など対策への協力を呼び掛けながら「世界最大の油彩画は精神状態によって毎年見え方が変わる。自由に楽しんでもらいたい」と話した。

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