新型コロナウイルス禍が映画館の客足にも影響する昨今。シネマトーラス(苫小牧市本町2)の堀岡勇代表(68)は「本当は劇場で映画に親しんでほしい」と本音を漏らしつつ「若い人はDVDでの映画鑑賞に慣れている」と話す。レンタルビデオショップで借りられる新作を中心にお薦め作品を紹介してもらった。
(伊藤鈴夏)
若年層向け
「ミッドナインティーズ」。アメリカの13歳の少年が過ごす成長過程を切り取った青春物語で、堀岡さん自身、「(見ると)少年時代がよみがえる」という思い入れの強い作品。「自分に重ねて鑑賞できる」と薦める。
家族向け
コロナ下を踏まえた鑑賞として、家族を主題にした作品も提案。「コロナ下で家族中心の生活になっている今こそ、家族本来の在り方を映画を通して考えてほしい」と呼び掛ける。
韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」は、原作小説が日本でもベストセラーとなった話題作。特別養子縁組みをめぐるヒューマンドラマ「朝が来る」と「フェアウェル」も、家族の形や絆について考えさせられる作品だ。
映画通に
第76回ベネチア国際映画祭ユニセフ賞受賞作のチェコ映画「異端の鳥」、太平洋戦争に翻弄(ほんろう)された夫婦の模様を描く「スパイの妻」、大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の3作品。「どれもコアな作品ばかりだが、映画通なら楽しめるはず」と力を込める。