⑤厳しい練習、自分の強さに「大学で、さらなる飛躍を」―苫小牧工業高校ハンドボール部 石崎航

  • コロナを糧に~巣立つ高校生アスリート, 特集
  • 2021年3月20日
苫工での経験を胸に星槎道都大に進学して現役を続ける石崎

  苫小牧工業高ハンドボール部のエースとして活躍した石崎航=いしざき・わたる=(18)は4月から星槎道都大に進学して選手としてステップアップを目指す。苫工の中でも厳しい部活動との呼び声高いチーム。3年間努力したことは極立った心身の強さにつながり、貴重な経験との自覚だ。

   むかわ町穂別出身。小学校はサッカー、中学校では部がなかったため陸上部に所属した。苫工入学直後、当時の副顧問に強く勧誘されたことがきっかけとなり、ハンドボールにのめり込んだ。

   ポジションはエースとされるライトバック。手を使う球技は初体験で慣れなかったというが、練習の中でめきめきと上達。2018年の室蘭支部の春季大会では1年生ながら試合に出場。以来チームの中心的な存在になり、身長181センチの体格を生かして得点を量産してきた。「ゴールを決めたときの爽快感がたまらない」と競技の魅力を語る。

   全国大会出場を目標に挑むはずだった高校総合体育大会(インターハイ)は新型コロナの影響で中止になった。全道や支部予選も中止となることが予想される中でチームのモチベーションは低下。練習する意味を失い欠けたが「強くなっておいて損はない」と石崎ら3年部員8人が跡を継ぐ1、2年生21人に奮起を促した。

   8月に中止になった支部予選の代替大会が室蘭市で開催され、苫工と静内、室蘭工業、室蘭栄の4チームによるリーグ戦全試合で2桁点差をつけて勝ち、圧倒的な強さを見せて優勝した。「一区切りにはなった」と話すが、「歴代で一番いい成績を残したので、全道がもしあったらどこまで勝ち上がれたのだろうともやもやする気持ちはある」と複雑な思いも口にした。

   大きな思い出は合宿。朝から夜まで鍛え続けるハードな内容で、秋に行った紋別市での遠征合宿ではスキー場の斜面を走って上り下りを繰り返した。「地獄のような合宿だったけど、自分の強さにつながっている」と踏まえる。

   4月からは星槎道都大に進学する。持ち前のシュート力を武器に1年目からスタメンを目指している。「守備時のフットワークやボールマンを抑える筋力はまだ足りていないので、即戦力となれるようにトレーニングを積む」と気を引き締める。「将来はプロも視野に入れながら大学4年間を必死に頑張りたい」と飛躍を誓った。

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