(3) 自宅の庭に野鳥を呼ぼう 餌台や水浴び場は清潔に

  • 春の野鳥, 特集
  • 2021年3月13日
庭に置かれた餌台に集まるスズメやヒヨドリ(苫小牧市見山町)
庭に置かれた餌台に集まるスズメやヒヨドリ(苫小牧市見山町)
バードバスの氷を取り除く善浪さん
バードバスの氷を取り除く善浪さん

  自宅の庭に野鳥を呼び、かわいらしい姿を間近で見たいと思ったら、餌台を設置するのも手段の一つ。最近ではさまざまな既製品が市販されているため手軽に取り入れることができるが、設置後の管理にはいくつか注意点があるという。

   「一つは餌台を清潔に保つこと。餌台にサルモネラ菌が発生し、野鳥が大量死した例があります」とウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンターの善浪めぐみレンジャー。与える量は1~2時間で食べ終わる程度にし、ふんは小まめにブラシで落とす。また、春が進むにつれ、虫や草木の種など自然界の餌が豊富になるため、実際のところ人間が餌をやらなくても鳥たちが困ることはない。ネイチャーセンターでは「ウトナイ湖には冬でもハンノキの実など餌が豊富にあり、また、餌をやりに行くと鳥が人に慣れて近寄ってくるようになるので、自然を観察する場所としてふさわしくない」と判断し、今年から餌やりを止めている。ただ「家庭で餌やりを楽しむのは自然への関心の第一歩として良いことだと思います」と話す。

   これからの季節、ネイチャーセンターの窓からは餌台に代わって、バードバス(水浴び場)で気持ち良さそうに水しぶきを飛ばす小鳥の姿を楽しむことができる。「鳥は水浴びが大好きなので、家庭でも水浴び場を作ってあげるといいと思います。要らなくなった土鍋を庭に置いたらメジロが一度に8羽も入りに来たという話も聞きました」。バードバスには鍋やフライパンなどなるべく重くて安定したものが適しているという。野鳥にとって何が必要で、何が害になるのかよく考えて環境を作ってやりたい。  (S)

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