御休憩所は社殿として活用 数寄屋造りの鵡川神社 (下) ◇15

  • THE探求 歴史から伝える「むかわ学」, 特集
  • 2021年3月4日
旧鵡川神社のモニュメント=Aコープセレス店前

 戸長役場では、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の鵡川村ご訪問に当たり、1911(明治44)年6月16日付で、鵡川から辺富内(現在の富内)に至る各地の代表者をもって委員会を組織しました。そして式典当日までに永安寺に設置した奉迎事務所ヘ参集し、当日は健康診断もあるので遠方から来て居住地と事務所を一日で往復できない委員はそのままとどまり、引き続き事務に従事する覚悟をもって当たるよう指示されていました。鵡川市街から穂別富内に至る広大な地域一帯をまとめて、鵡川外七ケ村戸長役場が管轄しておりましたので、穂別からの参加者の場合、9月5日に出発して累標の小学校で1泊、6日早朝に出発して井目戸の学校に宿泊、7日の奉迎式典に出席拝礼という日程であったことが穂別昔語りの名著『翁媼(おうおう)八十代の踰邁(ゆまい)を語る』の中で紹介されています。

 住民に向けては、日程を定めて持続的に清掃を実施するよう指示が出されました。戸長役場が定めた清潔法に基づく注意事項は8項目。一、家屋の内外の清掃はもちろん、土地が低くて湿った土地は乾燥させること。二、畳や敷物、寝具などは、日光に当てて十分に乾燥させること。三、床下も掃除して、よく乾燥させること。四、排水溝や下水溝はごみを取り除き、破損があれば必ず直すこと。五、井戸は必ず中にたまったごみを取り除き、井戸枠の破損があれば修理すること。六、ごみは一定の場所に集めて出し焼却すること。七、空き家空き地は所有者や管理者が掃除すること。八、便所は必ず全てくみ取り清潔に掃除すること―。

 鵡川市街に住む古老にお話を伺いましたところ、やはり念入りに掃除をするよう指示があって、毎日町中大掃除をしたという話を伝え聞いた、ということでした。

 その後、御休憩所は鵡川神社の社殿として活用されることになりました。当時の社殿は現存していないので見ることはできませんが、ご祭神は福住の鵡川神社にて大切にお祭りされています。鵡川神社の創始は1896(明治29)年、入植者によって字鵡川280番地に伊勢神宮の御分霊をお祭りする小祠が建立されたことに始まると、三上剛宮司から教えていただきました。

 むかわ町末広にあるAコープセレス店の駐車場の一角に、当時の鵡川神社の所在を示すモニュメントが設置されています。鵡川神社へお越しの際は、ちょっと立ち寄られてみてはいかがでしょうか。(むかわ町教育委員会、田代雄介学芸員)

 ※第1、第3木曜日掲載

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