6  苫小牧消費者協会 山内幸子会長(72) もったいない精神大事に 「地産地消」意識して

  • コロナ禍を乗り切る, 特集
  • 2021年1月30日
「いろんなものを手作りする生活を」と提唱する山内会長

  「コロナ禍の中だからこそ、今の生活をもう一度見直してみては」―。苫小牧消費者協会の山内幸子会長は、コロナ下の過ごし方をアドバイスする。より賢い消費者で在り続け、生活全般を守るための心構えの一つとして「もったいない精神を大事にしてほしい」と願う。

   コロナ感染拡大による市民生活の影響に目を光らせてきた。昨春にマスクや消毒液が店から姿を消すと、毎月発行する「消費者協会だより」で代替品の作り方などを特集。毎年恒例の勉強会や料理教室、セミナーなどの中止を余儀なくされる中、消費者目線で情報を発信し続けた。

   昨年7月に市民アンケートを実施し、外出自粛期間中の市民生活をつぶさに調査すると、回答した222人の約8割がコロナへの不安を訴えた。旅行、飲食店利用の機会が減り、ガソリンやホッキなど高級食材の価格は下落。学校の臨時休校で給食がなくなり、出来合いのおかず類などの需要が増えた。コロナ禍は生活や消費、市場価格と連動していた。

   再認識したのは、協会が日頃から提唱する消費生活の大切さ。例えば「地産地消」は「魚は苫小牧産を意識して選べば、地元の漁業者の助けになる。旬の時期に旬のものを食べれば免疫力も高まる」と説く。食品ロスの削減に向け、「手作り料理を意識してほしい」とも。材料をまとめ買いすれば買い物に行く回数も減らせ、食品自体や容器プラスチックの削減にもつながる。

   「毎日の料理で大変だと思うが、こういう時期だからこそ時間もある。逆転の発想で『どんな料理を作れるか』と楽しんで」とアドバイス。「洋服なんかも捨てる前にリメークを考えてほしい。古いかもしれないが、もったいないという気持ちを大事にしてもらいたい」と語る。

   「おうち時間」が長くなることを見据え、電話による詐欺被害や各種勧誘の増加も懸念されると指摘。「自分にも古物店を名乗る人からの不審電話があった。必要がなければはっきり断り、迷惑電話の録音で対応する手もある。心配なときは消費者センターに相談を」と呼び掛ける。

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