1月も後半に入り、例年ならば寒さの中で厳しい釣りを強いられる季節だが、今季は釣り人の動きが例年にない早さで活発になっているようだ。釣り倶楽部担当は22日、苫小牧港・西港の南埠頭(ふとう)で本格化したチカのサビキ釣りの様子を取材。タイミングよく20センチオーバーの良型を次々とキャッチする様子を目にすることができた。
この日午後2時すぎに現地に到着。同埠頭の岸壁に沿って30人ほどの釣り人がずらりとさおを並べていた。
岸壁のちょうど中間に釣り座を構えていた、苫小市見山町の荒木哲雄さん(75)は、コンスタントに釣果を伸ばした一人。昨年12月以降、西港内のチカの寄りは不安定な状況が続いているが、数日前には72匹と好釣果に恵まれたそうだ。
荒木さんは午前7時から釣り始め、正午までは目立った当たりはなかった。しかし、日が傾き始めた午後3時ころからは状況が一変。5~10分周期で群れが回遊しだし、さおを揺らしていた。
使っていたのは5・4メートルの磯ざおに市販のサビキ仕掛け(素針)。魚を誘う「棚」は6メートルほどで、頻繁に餌のオキアミを針に付けて集魚効果を狙った。
釣り上げたチカは体長15センチ前後を中心に、中には体長20センチを超える「大チカ」も。艶があり、うっすらと”あめ色”に輝く魚体は新しい群れとみられ、今後の釣果も上向くことが期待された。
今年に入り、すでに10回目のチカ釣りという。「ここ数日は、目立って魚が寄って来るようになった」と話す、荒木さん。西港では例年2月からチカ釣りが数的にも本格化するが、今年は海水温が高いこともあり、若干早めに活性化した可能性もある。
釣り上げたチカは、自宅で3枚に下ろした後、パン粉を付けてすぐに冷凍保存するとか。荒木さんは「いつでもおいしいフライが食べられる。釣り人の特権ですね」と笑顔で話していた。