駒大苫小牧高スピードスケート部がこれから本格化する大会シーズンへ力を蓄えている。10月に帯広市の室内リンクで開かれた明治北海道十勝オーバル競技会第2戦から部員が公式戦に踏みだした。今月は氷が張って開業した苫小牧市ハイランドスポーツセンター屋外リンクで練習中だ。各人が達成したい目標をイメージし、滑りに集中する様子が見られる。
今年度の部には男子4人と女子8人、女子マネジャー2人の計14人が所属する。むかわ町出身で、同校OGの田畑真紀監督が指導に当たっている。
女子チームパシュートで銀メダルを獲得した2010年のバンクーバー、14年のソチまで計5回の五輪出場を重ねた中長距離の名スケーターは46歳。滑りの指導と併せて今なお機会があれば現役選手としての大会出場を続ける。日頃から鍛錬してレースに臨む姿を見せ、「自己ベストを更新できるように、全力を尽くしてほしい」と生徒たちを鼓舞している。
3年生として主将を務める清水彩花は、今年2月に苫小牧で開催された全国高校選抜競技会女子500メートルで自己ベストの40・85秒で準優勝。「今年に入って、やりたい滑りができるようになってきた」と手応えを語る。
今シーズンに向けたトレーニングでは低いスケーティング姿勢を追い求めた。スタートの一歩目から低重心を意識し、ゴールまでキープする。以前はコーナーワークで足首が傾斜し過ぎる癖があったが、その克服を実感。「練習でできた動きが試合でもできるようになった」と話す。
来年1月に長野県で開かれる予定の高校総体では500メートル優勝を目標にしている。昨年は7位。最終学年で臨む大一番のレースに懸ける思いは高まるばかり。「自分を最大限追い込んでいきたい」と意気込む。
前回の高校総体女子1500メートルで5位、3000メートルで6位に入った2年生の森野こころも注目されている。「前回のインターハイは自分でも驚くほど順位が高かった」と率直に話す。進級した今年度は中長距離系種目の表彰台で高みを狙う。
今シーズンすでに臨んだレースでは年上らと競い、順位こそ上位ではなかったものの、滑りのための練習成果が着実に表れたと感じるという。
田畑監督の直伝で体前方に重心を置く意識や脚の効率的な使い方の要領をつかみつつある。後半のスピード維持が目下の課題だが、「速いラップタイムが維持できるようになってきた。さらにタイムを縮めたい」。それぞれがスケーターとしてさらに前進するビジョンを思い描く。