苦境乗り越え、プレーに円熟―得点ランク首位のFW久慈(王子イーグルス)

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2020年11月20日
ジャパンカップ得点ランキングで首位に立った久慈(右)=14日、対横浜戦、月寒体育館

  アイスホッケーアジアリーグ・王子イーグルスのFW久慈修平(33)が、ジャパンカップ得点ランキングで首位に立っている。1試合平均5.8得点と20代選手を中心に抜群の攻撃力を誇るチーム内で、所属11年目になるベテランは14、15両日の横浜グリッツ3、4回戦で計4得点を稼ぎ、リーグ選手中最速で唯一の2桁10得点に達した。一昨年に負った左膝のけがや手術を乗り越え、「理想の滑りができている。アイスホッケーが楽しい」と笑顔で手応えを語った。

   ウイングでチーム屈指のスピードスターは、10月10日のホーム開幕戦からエンジン全開だった。グリッツと初顔合わせの第1ピリオド5分すぎ、左側面から快足を飛ばして敵陣ゴール前に切り込み、今シーズン初得点をマーク。その後も各戦でコンスタントに得点に絡むと、直近4戦は毎試合得点の6ゴールに加え、2アシストも決めて大暴れしている。

   昨シーズンから一緒に組むFWラインメートの高木健太(26)との連係は円熟味を増した。また、高卒入団3年目CFの小林斗威(21)には今年春から付きっきりで「将来のイーグルスを引っ張っていかなきゃいけない存在」と成長を後押ししてきた。「指導する中で、かえって自分が勉強になったり気付いたりすることの方が多い」と充実した日々を送る。

   2018年冬のアジアリーグ出場中に左膝を負傷。そこから痛みとの長い闘いが始まった。「一歩目を踏み込むにも恐怖心があった」。持ち味のスピード感あふれるプレースタイルに陰りが出たため、昨年12月には自慢の健脚に初めて手術のメスを入れた。「本来の走りに戻れるのか、本当に不安だった」と言う。

   復帰に向けて、地道なリハビリ活動や膝周りの筋力強化に取り組んだ。不安があった痛みもいつしか消え、「不自由なく、本能のままに走ることができる」と実感。失いかけた自信を取り戻した。

   次戦は21、22両日に栃木県日光市で1ゲーム差の2位につけるアイスバックスと対戦する。「必死になってゴールに向かっていくのが自分のあるべき姿。得点ランキング1位はもちろんモチベーションになるが、そこはおごらず謙虚に、まずはチームの勝利のために結果を残したい」と頼もしい。

 得点ランキング

  (11月15日終了時点)

  (1)久慈修平 (王子) 10

  (2)古橋真来 (日光) 9

     中島彰吾 (王子) 9

  (4)中屋敷侑史(王子) 8

  (5)大椋舞人 (日光) 5

     田中遼  (東北) 5

     上野拓紀 (ひ北) 5

  (8)百目木政人(王子) 4

     橋本僚  (王子) 4

     人里茂樹 (東北) 4

     池田涼希 (横浜) 4

     松渕雄太 (横浜) 4

     三田村康平(王子) 4

     山田淳哉 (東北) 4

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