苫小牧のアブロス沼ノ端スイミングクラブに所属する鷲尾欣太郎(北星小6年)がこのほど、江別市内で行われた第43回全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会都道府県通信大会の北海道大会男子200メートル個人メドレーで2分30秒96をマークし、標準記録(2分31秒06)を突破した。日本水泳連盟が公開した直近のランキングでは11~12歳区分で46位となり、「次はもっと上を狙えるように頑張りたい」と練習に励んでいる。
新型コロナウイルスの影響で今年は中止になったJOC夏季大会(8月、大阪)と関連地方大会の代替大会に位置付けられていた。鷲尾が出場した男子11~12歳200メートル個人メドレーには、道内の小学5年~中学1年生34人が出場し、各50メートルでバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の順にこなしてタイムを競った。
バタフライで32秒台と幸先のいいスタートを切ったが、得意の背泳ぎに移行する際に「息継ぎがうまくいかなかった」(鷲尾)ため、潜水で距離を稼げずにタイムロス。続く平泳ぎで何とか持ち直すと、疲労がピークに達した最後のクロールでは「腕がぱんぱんだった」(同)。諦めず力泳し続け、全国標準を100分の10秒上回った。
今年度最初の公式戦となった8月の道ジュニア室内選手権(江別)では2分33秒66と全国標準記録より2秒以上も開きがあった。課題のバタフライ、平泳ぎを徹底して練習し、1カ月半ほどで全国レベルまで達した。「自信が付いた。速くなってきている」と努力のたまものに胸を張る。
同クラブで鷲尾の指導を担当する大江俊彰コーチは「設定した目標に向かって貪欲に取り組むことができる選手で、勝負強いのも魅力」とさらなる成長を期待する。
これまでに全国大会には3度出場。本来来年3月のJOC春季大会(東京)は、新型コロナウイルスの影響で今月10日に中止が決まった。今のところ次の全国大会レース挑戦を阻まれたままだが、今回のJOC夏季大会と同様に通信方式での代替開催が計画されている。次はターンの回数が増えて記録がぐんと縮まる短水路のプールで大会が開かれる。「まずは2分20秒切りを目標にして、少しでも通信大会で上位に入れるようなタイムを出したい」と前を向く。