フィギュアスケート男子選手で苫小牧駒沢大の坪井聖弥(2年)が今シーズンの東北・北海道選手権大会(10月、新潟県)で初優勝した。出身の苫小牧で鍛え続けてきた成長株は「優勝したことに満足せず、目標とする点数の140点台を目指してさらに練習を積みたい」と抱負を語った。
同選手権は年齢別の男女各4部門で栄冠を競った。坪井は2人エントリーの男子で125・39点をマークし、2位と32・98点差に広げた。
ショートプログラムでは初挑戦の使用楽曲を選択。坪井は「今まで選ばなかった明るい雰囲気の曲」と話す。3回転のサルコウやトゥループといったジャンプをすべて決めた。「着氷時に若干のつまずきはあったけれど、大きなミスはなかった」と手応えを語った。
続くフリーの曲は「カルメン」で挑んだものの、3回転サルコウや3回転トゥループなどのジャンプで回転不足があった。「後半に疲れが出てしまい、体力不足を感じた」と話す。
苫小牧出身。小学3年の時に市内のクラブ、白鳥FSCに入団した。「高橋大輔選手に憧れていた」と当時を振り返る。啓北中、駒大苫小牧高を経て同大に入学した。
スケーターとしての強みは表現力の高さ。「踊るのが好き」と話す坪井は、新型コロナウイルスの自粛期間中にはスケートを履かずに演技練習に取り組んだ。基礎的なダンスの要素の大切さを改めて認識する機会にもなり「評価を上げるために、手先まできれいに見せられるように表現力を磨いていきたい」と話す。
来シーズン以降の東日本選手権上位入り、全日本選手権出場を大きな目標に据えている坪井。「140点台に到達しないと全国のレベルでは戦えない」と言い、「3回転アクセルや4回転のジャンプも盛り込めるように準備していきたい」と力強く語った。