アフリカ西端のセネガル出身のティオウネ・ババカル(15)が10月に来日し、駒大苫小牧高に1年生として編入し、男子バスケットボール部に入部した。道内高校のバスケ部で男女通じて留学生を受け入れたケースは初とみられる。すでに身長205センチに達するビッグマンは「チームの勝利に貢献できる選手になりたい」と抱負を語った。
ティオウネは12歳からバスケに親しみ、日本で活躍した母国出身の生徒の存在を知って憧れを抱いて来日を希望した。当初は年度初めの入国を予定していたが新型コロナウイルス禍のため、待機を余儀なくされた。移動制限が緩和されて10月初旬に入国した後は東京都内で2週間の自主隔離期間を過ごし、10月下旬に苫小牧入りした。
ポジションはセンター。高い身長を生かしたダンクシュートやリバウンドでの貢献が期待されている。合流後の練習を見てきたヘッドコーチの田島範人教諭は「スマートで戦術の理解も早い」と評価。ガードの3年生、藤岡大翔主将も「サイズがあるので得点力で頼りになる存在になると思う」と期待感を語った。
チーム仲間内の愛称は、名字のティオウネを呼びやすく発音した「チューン」となった。「素直な性格で部員からも好かれている」(田島教諭)という。
勉学と部活動の両立を目指しているティオウネは日本の印象について「きれいな景色と親切な人が多い」。日本食も好みとなり、「お米がおいしい」と笑顔で話した。
ティオウネは、13日に帯広市で開幕するウインターカップ2020第73回北海道高校選手権大会で公式戦デビューを果たす予定だ。「チームメートと一緒に優勝を目指したい」と意気込む。自らが挙げた課題は、ロングシュートと体格の細さだが、「筋力トレーニングを積んで、もっと動ける選手になりたい」と抱負を語った。
将来は日本か米国の大学進学を念頭に置き、米プロバスケットボール協会(NBA)選手も目指して夢も大きい。田島教諭は「バスケでも活躍してほしいが、まずは日本の生活を楽しんで、勉強も頑張ってほしい」と温かく見守っている。