アイヌ民族は、身の回りのすべてに神が宿ると信じた。森の木々もそう。シリコロカムイ(木の神、大地をつかさどる神)と呼んで尊んだ。木は地面を守り、草や動物の命を育み、森を豊かにする。だから、無駄に切らず、舟や道具の材料として必要な時は最小限に―。環境の悪化が進む現代。自然を敬ったアイヌ民族の精神性に学ぶところは多い。
企画「Kamuy」では、白老町在住のフォトグラファー永楽和嘉(えいらく・わか)さんがアイヌ民族の精神世界を表現したアート写真を紹介する。毎月1回掲載。
写真―永楽和嘉。撮影地―白老町ポロトの森。モデル―Cay Izumi。
※永楽さんの作品を紹介する「Waka Eiraku写真展」が11月4日から苫小牧信用金庫白老支店で開かれる。