ライスワークでなくてライフワーク(9) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年11月23日

  前回まで、海の駅ぷらっとみなと市場の来店客を増やすために、SNSを活用したり、補助金を活用してさまざまなイベントを継続的に行ったりしてきたことをお伝えしました。

   この市場も開業してから半世紀以上たちますので、組合員さんの脱退や新規加入など、入れ替えが目立っていました。時代の流れからか、次第に物販店が減少していき、飲食店が増えてきています。

   脱退した中では、2023年の本田青果店の閉店が今でも強烈に頭に残っています。店主は50年以上、朝早くの仕入れから店の運営を一手に担ってきた「本田のお母さん」。市場でもみんなの母親のような存在で、お客さまの評判も良く、閉店を惜しむ声は非常にたくさんありました。私もご商売に対するお母さんの考え方をよく聞いていて、行動も拝見してまいりましたので、誠に残念に感じ、閉店を一つの時代の節目のように感じました。

   一方、新店も入居してきました。同じ年、スープカレーの94ストアを経営するご夫婦との出会いがありました。お店の運営に非常に熱心で、いつも工夫を凝らし、試行錯誤を繰り返して良いものを作っています。私事ではありますが、実は私、野菜があまり好きではありません。しかし、この店舗の作るスープカレーによって「野菜はこんなにおいしいもの」ということを教えられた気がします。ごろごろ野菜が入っているスープカレーが好きになってしまいました。調理人の探究心や工夫によって、食べた側がこんなにも味が分かるようになるものかと感心し、おいしさを提供する意義深さを実感しました。

  (海の駅ぷらっとみなと市場元事務局長・苫小牧)

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