大学野球の北海道学生野球1部秋季リーグは21、22両日、苫小牧市のとましんスタジアム、清水球場で最終第5節が行われた。苫小牧駒沢大―函館大は1勝1敗としリーグ戦績を共に8勝2敗。東京農業大北海道オホーツクも旭川大に2連勝し同勝率となり、とましんスタジアムで3チームによる優勝決定のプレーオフが決まった。抽選の結果23日の1回戦で東農大―函大が激突。苫駒大は同カード勝者と24日午前10時に同会場で秋季初の頂点を懸けて戦う。
旭川大は3勝7敗。北海道教育大旭川と同函館は1勝8敗1分けで並び、23日にとましんスタジアムで5位決定のプレーオフを行った。
22日
【第5節】
▽第2戦
函館大(8勝2敗)
0000000000 =0
0000000001x=1
苫小牧駒沢大(8勝2敗)
(延長十回)
(函)村田澪―古谷
(駒)後藤―小松
(二)佐藤嘉、高橋、片岡(駒)
函館大 316940
打 安振球失
苫小牧駒沢大 346850
東農大オホーツク(8勝2敗)
000101321=8
000001000=1
旭川大(3勝7敗)
(東)林、石澤、吉村、中村―古間木
(旭)石田、富田健、杉山―小林、中田
(本)ブランドン(東)
(三)守屋俊、米倉(東)
(二)ブランドン、知花、布田(東)
道教育大旭川(1勝8敗1分)
020030320=10
010022000=5
道教育大函館(1勝8敗1分)
(旭)上野、長谷―平原
(函)高橋、原、飯田、筒井―佐藤
(本)玉村(旭)
(三)斉藤、永澤、菅原(旭)
(二)永澤、上樂(旭)武井、清水(函)
21日
【第5節】
▽第1戦
苫小牧駒沢大(7勝2敗)
0000000000 =0
0000000001x=1
函館大(8勝1敗)
(延長十回)
(駒)伊藤―小松
(函)枯木―小笠原
苫小牧駒沢大 3358 21
打 安振 球失
函館大 3451911
旭川大(3勝6敗)
000000100=1
00004100×=5
東農大オホーツク
(旭)佐賀、関口、川邉、福士―小林
(東)伊藤、前田、中村―古間木
(二)守屋俊、米倉、守屋秀(東)
道教育大函館(1勝7敗1分)
020130000000=6
210003000000=6
道教育大旭川(8敗1分)
(延長十二回)
(函)飯田、原、後藤―佐藤
(旭)長谷、薦田、佐藤―平原
(本)佐竹(函)
(二)石川、田中2、冨山、佐竹(函)上樂(旭)
執念のサヨナラ押し出し 優勝に望み―苫駒大
優勝を懸けたプレーオフに持ち込むには勝利が絶対条件だった22日のリーグ最終戦で苫駒大が意地を見せた。延長十回裏の攻撃。1死から9番高杉(3年)が安打で出塁すると犠打で2死二塁となって2番佐藤(4年)が四球出塁。3番土井副主将(同)は「変化球を狙っていた」とこの試合初安打を放ち満塁になった。
ここで、六回に二塁打を放った主砲片岡(4年)は、ピンチで制球難に陥った函大左腕村田澪が投じるコースを見極め、押し出しの四球を選び劇的なサヨナラ勝ち。「チーム全員の勝利への執念が乗り移った押し出しだった」と大滝監督は選手たちの頑張りに目を細めた。
21日の第1戦ではエースで主将の伊藤(4年)が先発し必勝態勢で臨むも、延長十回に今リーグ唯一の失策が絡みサヨナラ負け。「負けたら終わり。気持ちで投げた」と胸を張ったのは22日に先発した2年生の後藤。伊藤主将から前日夜に「もう一度、俺をマウンドに上げさせてくれ」と無料通信アプリ「LINE(ライン)」でメッセージをもらい、より力がみなぎったという。
2008年春以来12年ぶりの3校による優勝決定プレーオフが行われる。苫駒大は前回と同様初戦シードとなった。当時は1回戦で東農大を下した函大と当たり、延長十一回の激闘の末2―3で惜敗した。「総力戦になる。22日の試合のように全員で戦う意識を持ってほしい」と大滝監督は期待。中堅手の土井副主将は「函大戦は投手陣に助けられた。次は自分たち野手が打撃でカバーしたい」と意気込んでいた。