⑪モーラップ樽前荘管理人 笑顔戻る日を信じて 「また来るね」の言葉励みに

  • 暮らしの記録, 特集
  • 2020年8月24日
樽前荘内の交流スペースを消毒する吉川さん

 「静かになった。寂しいけど仕方がないね」。ライダーハウス・モーラップ樽前荘の管理人、吉川英二さん(69)はつぶやいた。例年であれば全国からライダーが集い、施設内もにぎわう夏の行楽シーズン。今年は新型コロナウイルス流行で宿泊者を限定して対応している。本道入りをためらう常連もおり、宿泊客は例年と比べて3分の1ほど。「こんなことは初めてだ」とため息交じりで寂しい風景を受け止める。

 樽前荘は苫小牧市が支笏湖畔の千歳市モラップに開設する休憩、宿泊施設。道内外から集まるライダーや自転車愛好者に親しまれ、結婚式を挙げたライダーカップルもいるほどだ。管理人歴45年の吉川さんは苫小牧市内の自宅とは別に、樽前荘に住み込んでライダーへの応対や施設管理を担っている。

 コロナ禍で今年の営業開始は、予定から1カ月半延期の6月1日に。同施設は最大30人が泊まれるが、感染対策で宿泊者数は10人に限定。3人部屋五つ、6人部屋三つは夫婦やグループ利用以外は相部屋が基本だが、現在は1部屋に1人を充てている。一方で光熱費の出費は変わらず、「営業するのは大変」と胸の内を明かす。

 宿泊客にはマスクの着用や手指消毒、大声を出さないなどの対策を求める。施設内の消毒も小まめに行い、交流スペースにアクリル板を設けて飛沫(ひまつ)感染を防ぐ。普段は宿泊者が酒を酌み交わし、和やかに語り合う光景が見られる場所だが「みんな気を使っているようで、ライダー同士の会話も、夜間の交流も少なくなった」と話す。

 年間利用者約1500人のうち、1100~1200人がリピーター。今年は本州方面の常連から「今年は駄目だけど、来年行くよ」「行ったら迷惑かな?」などの電話が相次ぐ。感染予防などへの気遣いは伝わるが、吉川さんは「泊まる人が少なくてやっぱり寂しい。来られなくなった人もいて、みんなの楽しみがコロナに奪われた感じがする」と表情を曇らせる。

 一刻も早いコロナ禍の沈静化を願うばかり。「『また来るね』の言葉がうれしい。ワクチンができて収束したら、これまでと同じように利用してもらえたらいい。こちらも安全面に気を付けて迎えたい」。樽前荘がライダーの笑顔であふれる日が再び来ることを信じている。(平沖崇徳)

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