サッカー指導者でNPO法人I.K.O市原アカデミー(大阪府)理事長を務める池上正さん(63)のセミナーがこのほど、苫小牧市文化交流センター(アイビープラザ)で開かれた。池上さんは「これからのスポーツを創造する」と題して講話。グループディスカッションによる参加者の意見交換も行われ、それぞれが考え方を深めた。
池上さんは大阪府出身で、大阪体育大卒業後に指導者となった日本サッカー協会公認A級U12資格者。各種指導書の著述に加え、大阪で無料のサッカースクールを運営。大阪体育大と関西大でコーチングやスポーツ科学の授業も行っている。
セミナーは同NPO法人が主催し、ASC北海道とクリアールサッカースクールの協力で開かれた。市内を中心としたスポーツ各分野の指導者ら34人が参加した。
池上さんは講演の中で、長期休暇を活用した小中高生の海外遠征の必要性を強調。「語学も身に付き、将来の職業としてコーチや通訳など選手以外にも選択の幅が広がる」と話していた。
新型コロナウイルスの影響で全国級からローカル規模まで各種大会が中止になったことに関連したグループディスカッションもあった。「大会がなくなったら、どんなことが起こるか」というテーマが設定されて話し合いと発表が続いた。
参加者からは「モチベーションが下がる」といった声や「大会停止の間に他の競技に目を向けようとする選手も増えるのでは」といった意見が聞こえた。
まとめに当たって池上さんは「大会がなくなっても試合はできる」と論じ、「試合をして負ければ勝つための練習をするようになるので、モチベーションは維持できる。大会がなくなったことをネガティブに捉える必要はない」などと説明した。
受講した30代の男性参加者は「大会に対する認識が変わった。勝ち負けよりも自分の力を試す場としてあるべきだと感じた」と話していた。