支笏湖周辺の魅力的な山々 樽前山象徴するタルマイソウ

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2020年8月14日
樽前山を象徴する花「タルマイソウ」ことイワブクロ

  季節は8月に入り、盛夏を迎えています。支笏湖を訪れる人も増え、園地内も少しずつにぎやかさを取り戻しています。

   先日、8月10日は「山の日」でした。山の日は2014年に制定され、16年に始まった国民の休日で、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされています。

   支笏湖の周辺にも個性的で魅力的な山が幾つもあり、登山を楽しむ人々に親しまれています。支笏湖は約4万年前に支笏火山が噴火してできた大きな火口(カルデラ)に水がたまって誕生したカルデラ湖です。その支笏カルデラの外輪山を形成している紋別岳、モラップ山、多峰古峰山、丹鳴山、漁岳などの山々や、支笏火山の噴火の後に誕生した「後カルデラ火山」といわれる、風不死岳、恵庭岳、樽前山が、北西方向に伸びる構造線(割れ目)に沿って一直線に並んでいます。

   その中でも特に親しみやすく人気なのは、紋別岳と樽前山ではないでしょうか。

   紋別岳は支笏湖温泉のすぐ裏手にある標高866メートルの山で、山頂にはNTTの無線施設などがあり、その保守のための道路が登山道になっています。スニーカーなどでも気軽に登れ、山頂からの展望も素晴らしく、初心者や家族連れも楽しめる人気の山です。

   樽前山は標高1041メートルの山頂部に溶岩ドームを持つ三重式火山で、日本二百名山や花の百名山にも数えられる支笏湖を代表する山となっています。

   イワブクロの別名である「タルマイソウ」はこの山にちなんで付けられているのは有名な話でしょう。活火山の迫力と高山植物を同時に楽しめるぜいたくさが人気の秘密なのかもしれません。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」山の恩恵とは何でしょうか?

   動植物をめで、美しい風景に感動する、そんな自然が人間に与えてくれる心の豊かさもその一つではないでしょうか。

  (支笏湖ビジターセンター自然解説員 仲澤和隆)

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