コロナ考

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年8月13日

  新型コロナウイルス感染症対策を機会あるごとに取材してきた。緊急事態宣言解除後も出光興産北海道製油所の大規模定期補修工事(SDM)、白老町の民族共生象徴空間ウポポイ、国内最大のサラブレッド競り市セレクトセールを訪れた。いずれも注目度が高い事業や施設、催しで密閉、密集、密接の「3密」回避などを徹底していた。

   関係者の努力に頭が下がるが、取材する報道側を省みると、改善が必要に感じている。写真や映像を撮ったり、話を聞いたりするたび、報道側はほぼ一塊。事前の検温や手指消毒、マスク着用などコロナ対策を徹底しているとはいえ、「密」になる自分のことを棚に上げて良いはずはない。

   報道は不特定多数と接する仕事柄。取材現場でひとたびクラスター(感染者集団)が発生すれば、周りに多大な迷惑や不安を及ぼし、非難されることは、恐怖にも似た思いで念頭に置いている。いつ、どんな場面でも、誰もがコロナに感染する可能性を自覚しながら、どのような行動が感染リスクを高めるかなど再確認している。

   日頃から感染者確認の発表はもとより、クラスターが「夜の街」や「昼カラオケ」などで発生するたび、紙面で情報を伝えている。大事なことは情報を通して過去を今後に生かし、感染拡大の防止に役立てられるか。どうすれば伝わるか、自省も兼ねながら、考える日が続く。(金)

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