ウポポイ開業1カ月 「関心の高さ再認識」 ネット予約方法など課題も

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  • 2020年8月13日
記者会見でウポポイ開業1カ月を振り返る對馬運営本部長(左)と佐々木館長

  国が白老町のポロト湖畔に整備したアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)が12日で開業1カ月を迎えたことを踏まえ、管理運営に当たるアイヌ民族文化財団が同日、ウポポイで記者会見を開いた。1カ月の入場者が3万5000人超となったことについて、對馬一修運営本部長は「多くの方に来場をいただき、アイヌ文化への関心の高さを改めて認識した」との考えを示した。

   7月12日のオープンから今月10日までの入場者数は3万5409人となり、平均で平日1000人、土日祝日1800人を数えたことに、對馬運営本部長は「新型コロナウイルス対策で入場制限を行っている中、コンスタントに来場していただいた」と評価。「サービスの向上を図り、より多くの方にアイヌ文化に触れてもらいたい」と述べた。

   一方、ウポポイの入場はウイルス感染対策で基本、インターネットによる事前予約制を採用。各施設ごとに受け入れ人数も制限しているため、對馬運営本部長は「予約方法が分かりにくい、各施設をどのように見学して回ればいいのか―といった声も寄せられている」と説明し、不満の意見に対し「少しずつ修正しながら対応していきたい」と述べた。

   また、ウポポイの冬季営業に関しては、「屋外プログラムをどうするか。冬用の特別プログラムなども検討したい」とした。

   ウポポイ全体の入場者数が3万5000人超を数えた一方、国立アイヌ民族博物館の入館者は2万1528人にとどまった。佐々木史郎館長は「博物館はどうしても密になりやすい空間なので、厳しい入場制限を設けざるを得なかった」と説明。展示物に関する来館者の反応に関しては「多くは好意的な意見。しかし、入館予約、制限に絡む苦情もあったのは事実で、新たな対策も立てていきたい」との考えを示した。

   財団によると、小中高校の修学旅行の予約は12日現在、680校(計6万5824人)。小中学校は道内、高校は道外が中心で、9月から児童生徒の受け入れが本格化する。

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