ハトの形をした銘菓、鳩サブレーで知られる豊島屋(神奈川県鎌倉市)は毎年、「鳩の日」の8月10日に記念グッズを売り出す。今年はペットボトル再生材のエコバッグをオンラインショップ限定で発売した。正直、エコバッグ持参の習慣はないがコンビニなどがレジ袋の無料配布をやめ、買い物時に困ることが多くなったためこれを機に―と注文した。自分には絵柄が少々かわい過ぎる気もするが届くのが楽しみだ。
さて、レジ袋が有料になって1カ月少々たつがコンビニ大手3社では、7月の辞退率がいずれも7割を超えたという。節約志向の高まりなどが背景にあるとみられる。すごいなとは思うが、有料化の狙いが海洋プラスチックごみの削減なら、根本的な解決にはならない。国内で排出されるプラごみ全体に占めるレジ袋の割合は数%にすぎず、脱使い捨てやプラ自体の生産抑制以前に海洋汚染対策を強化しなければならない。
プラに限らず、ごみのポイ捨ては最低な行為だ。地域でもたまに見掛けるが、生活環境に捨てられたプラごみは雨水などと一緒に排水溝に流れ込み、川を経て、海を汚す。観光も排出源の一つという。微小な粒(マイクロプラスチック)化すると分解されるまで数百年かかるとも言われ、生物への長期的な影響も懸念される。ポイ捨てをどうにかしない限り、複雑な環境問題はいつまでたっても複雑なままだ。(輝)