買い占め騒動

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年8月6日

  使い捨てマスク、消毒液に続いて第3の買い占め・転売騒動が起きている。大阪府の吉村洋文知事が4日昼の記者会見で発言した、ポビドンヨードが含まれたうがい薬のことだ。知り合いの薬局経営者に聞くと、知事会見から間もなく「うがい薬があれば譲って」と電話で問い合わせがあったそうだ。その薬剤師が今回の騒動を知ったのは夕方のこと。連絡があった御仁には少量を販売したというが、卸業者ではすでに在庫がなく入荷も未定だったといい、「マスクや消毒液騒動の二の舞いになるのでは」と懸念していた。

   インターネットのショッピングサイトやオークションサイトでは関連商品が高額で販売され、定価の倍以上や数本のまとめ売りで数万円というケースも散見される。マスクや消毒液騒動の時に安値で仕入れ、高値で販売し利益を上げた者がいただけに、二匹目ならぬ”三匹目”のドジョウを狙う存在の多さを強く感じる。

   厚生労働省は5日、「現時点で効果があるというには時期尚早ではないか」とし、吉村知事も同日夕方、自身の発言で騒動が起きたことを受け、「誤解がある」と適切な対応を求めた。何よりもポビドンヨードを含む第3類医薬品として扱われる各種うがい薬を許可なく販売した場合、医薬品医療機器等法に違反する恐れもある。一定の消毒効果はあるだろうが、コロナ対策への効果はまだ不透明。冷静に対応したい。(隆)

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