夏季北海道高校野球大会南北海道大会第4日は6日、札幌円山球場で続開し、トーナメント2回戦を行った。第1試合は札幌国際情報が8―1で東海大札幌に快勝。第2試合では、札幌大谷と北海が接戦を繰り広げて終盤へ進んだ。
大会第3日の5日、2回戦第3試合で激突した駒大苫小牧と苫小牧中央は、3―2の接戦の末、駒大苫に軍配が上がった。
▽2回戦
札幌国際情報
102100013―8
000010000―1
東海大札幌
(国)原田、木村―久保田
(東)橋本―小林
?大洞(東)
?久保田、山本、北本、渡辺(国)宮部(東)
北 海
120101
00005
札幌大谷
(北)岸―大津
(大)竹嶋、増田―中川
?藤井(大)
?岸(北)鵜野、小関、佐野(大)
5日
▽2回戦
苫小牧中央
010100000―2
00020001X―3
駒大苫小牧
(中)根本―笹原
(駒)北嶋―兒島
?根本(中)
?根本(中)兒島2、柄目(駒)
—駒大苫・北嶋、冷静に投げ勝つ
両主戦投げ合いの息詰まる接戦を駒大苫が制した。同点で迎えた八回に兒島がこの試合2本目となる適時二塁打を放ち勝ち越した。苫中央は、主戦根本が投打に活躍したものの力尽きた。
四回までに2点先行を許した駒大苫のエース北嶋(3年)だったが、心は至って冷静だった。「3点以内なら味方打線が何とかしてくれる」―。五回の3者連続三振を皮切りに徐々に投球のギアを上げ、以降は相手に三塁を踏ませなかった。
特に二回に本塁打、四回に適時二塁打された相手エース根本がバットを構えると気合が入った。「根本を抑えれば勝機はくる」と踏み、六回2死二塁の3打席目を三振させ、九回1死一塁の第4打席は右飛に仕留めた。昨年以来、根本との投げ合いは4度目となり、全勝した北嶋は「粘り強く投げることができた」と胸を張った。
共に2年生だった昨年は、春、夏、秋の室蘭支部予選すべてで同ブロックとなった。「根本と投げ合うと自然といいピッチングができる。自分の良さをより引き出してくれる」と北嶋はライバルの存在感を語った。独自大会の今回、最初で最後の円山球場で壮絶な投手戦を繰り広げ、さらに高みへ向かうための点火スイッチが入った。「次は根本の分まで勝たないと」と言う。
昨年夏の南大会では1回戦で札幌大谷、2回戦で札幌第一の強豪をねじ伏せたものの、中1日で迎えた準決勝の北照戦で疲労から球が浮き、2桁安打を喫して敗れて教訓とした。「勝ち切るための練習はしてきた。勝利に導けるように、一球一球気持ちを込めて投げたい」。固く誓った。
—苫中央・根本 熱戦に「悔いなし」
緊迫した投手戦に惜しくも競り負けた苫小牧中央のエース根本(3年)。勝利まであと一歩及ばなかったが、熱戦を終えて「3年間で技術だけでなく人間的にも成長できた。悔いはない」と静かに語った。
八回の決勝点は駒大苫の兒嶋の一撃。死球で出した走者が与えた適時打で生還した。対した各打者に直球でコースを突いたものの、狙い球を絞り込まれていた。「低めの変化球を見逃されたり、うまく合わされたりした」
敗戦こそしたが15奪三振と大黒柱の風格は際だった。ここまでチームをけん引してきた左腕に全幅の信頼を寄せてきた渡邊監督は「粘り強く立派に投げた。100点満点」とたたえた。
好打者としても本領発揮。二回に先制の右越えソロ弾を放ち、四回にも適時二塁打で2打点をマークし、「とにかく出塁することと、後につなぐことだけを考えていた」と振り返った。
野球を通じて「人間力向上」を目標に掲げ、チームメートと練習に励んできた。「3年間で得た物は大きかった」と語った。「苦楽をともにした仲間に恵まれ、感謝している。まだ進路は決めていないが、勝てる投手になれるようこれからも頑張っていきたい」。力いっぱい戦った円山で高校部活動を締めくくった。