最近、新聞で時々目にする言葉に「ワーケーション」がある。7月29日の記者会見で菅義偉官房長官が、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業の早期回復を念頭に、「新しい旅行や働き方のスタイルとして普及に取り組んでいきたい」と政府の考え方を示し脚光を浴びた。
ワーケーションは「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語。オフィスを離れ、観光・リゾート地で休暇を取りながらテレワークする働き方という。2000年ごろに通信環境が急速に発展した米国で生まれた言葉だそうだ。
当社データベースを見ると、本紙には昨年12月24日が初出。恵庭市が策定した第2期総合戦略案の新規施策の一つに「テレワークやワーケーションの推進」とあった。投資会社MAプラットフォーム(東京)が苫小牧市植苗地区の高級リゾート計画見直しの記事が掲載された今年7月1日付にも「ワーケーション」の表記がある。
「働き方を選択できるのはいい」「仕事と休暇の境界がなくなる」などワーケーション普及には賛否の声があり、今後の展開が見通せない。ただ、コロナ対策でテレワークが確実に広がったことは間違いなく、コロナ後も見据えてその流れをもっと加速させれば、懸案の東京一極集中の緩和と地方への人口流動にもつながっていくはずだ。ぜひ一考を願いたい。(教)