ふるさとと聞いて、皆さんが思い浮かべる場所はどこだろうか?
イランで生まれたが6歳で「移民」となり、20年以上も日本に住んでいるナディにとって、そこに「なつかしさ」を感じることはできないと言う。一方で、幾つになっても日本人からは「外国人」扱いされる。彼女のふるさとは一体どこなのか…。
国際化・異文化交流がうたわれる今、たくさんの肌の色・文化・宗教の違う人たちが、同じ場所で活動することが増えていく。そのときに改めて考えたい。「外国人」とは何か? 小学生の頃から共に学校生活を送っていても、生まれた国や肌の色だけで「区別」するものだろうか?
自分が日本以外の国に行ったとき、どのように受け入れられるだろう…。ナディの経験や意見を通して、自分の中の考えを整理してほしい。「国際化」「多様性」とは何か、考える一冊だ。
(大月書店 税込み1760円)
苫小牧啓明中学校
迎賀子