出船の光景

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年7月31日

 正午すぎに当日夕刊の試作紙面を見て記事や写真に誤りがないか確かめをする。写真説明で、指定した文字の削除箇所に間違いあり―。最近あった職場の「ひやりはっと」事例だ。

 仕上げ目前の大事な最終確認になおも隙があったと反省した。

 過日の朝に苫小牧港・西港で船がぬかりなく出航する様子を見た。約500トンの貨物船エンジン音が響く。岸壁と平行の船首、舷側、船尾に張られた係留ロープ中、船首と船尾の2本が緩む。陸の作業員がくいから綱を外し、それが船上に巻き取られて行く。船体右舷の1本だけは外されず、ぴんと張り詰めていた。やがて船尾が綱がつながったくいを支点に外海の方へゆっくりと向き始めた。

 最後の綱も緩み、もやいが解かれても、甲板員は綱の巻き取りを見張り続ける。今度は船首から2本、海中に垂れた太い鎖が音を立てて巻き上げられ、いかりが姿を現して船体にがちゃんと密着した。操縦室の窓に、かじを取る人の影。船は後進して岸壁から遠ざかった。この間、わずか15分。

 われわれの生活を支える物流の業務は港でも安全に滞りなく遂行されいて、乗組員や陸側で作業する係員たちのあうんの呼吸が見事と思えた。〈航海やよるひるとなき雲の峰〉(高浜虚子)。船の前途に幸あれと祈らずにいられなかった。当世コロナ禍の境遇にあっても、やるべき事を着実に―。港で働く人々の姿に学んだ。(谷)

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