夏季北海道高校野球大会南北海道大会室蘭支部大会第5日は25日、とましんスタジアム=苫小牧=でB、C両ブロックトーナメントの2回戦を行った。Cブロック2回戦の第1試合は駒大苫小牧が8―1の七回コールドで室蘭栄に快勝。Bブロック2回戦の第2試合では浦河が静内からリードを奪い、終盤へ進んだ。
大会4日目の24日第3試合Bブロック2回戦は、鵡川が9―0の七回コールドで室蘭工業を下した。
【Cブロック】
▽2回戦
駒大苫小牧
0011303=8
1000000=1
室蘭栄
(七回コールド)
(駒)北嶋、山―兒島
(栄)住吉、後藤―込山
(二)柄目、兒島(駒)込山(栄)
駒大苫小牧
288580
打 安振球失
233732
室蘭栄
初陣の駒大苫が中盤に加点した。同点の四回に敵失で逆転。五回には兒島が走者一掃の適時二塁打を放ちリードを広げた。守っては主戦の先発北嶋、継投の手山が力投した。室栄は一回に先制し、序盤は粘った。
【Bブロック】
▽2回戦
浦 河
0142000
000001
静 内
(浦)山田―手塚
(静)山田、桜井、吉原―高橋大、角
24日
【Aブロック】
▽2回戦
苫小牧中央
000310010=5
000000000=0
北海道栄
(中)根本―笹原
(栄)印南、駒澤、福田―臼井、小山
(二)寺口(中)
苫小牧中央
338531
打 安振球失
305813
北海道栄
苫中央の主戦根本が被安打5、8奪三振の好投で完封。打線は四回に四球押し出しなどで3点を奪い、五回に根本、八回には北村の適時打で突き放した。昨秋全道大会出場校だった道栄は併殺の逸機や失策で波に乗れなかった。
【Bブロック】
▽2回戦
室蘭工業
0000000=0
020025X=9
鵡 川
(七回コールド)
(工)久保田、荒、石垣―鈴木、小田
(鵡)稲葉、西川―佐々木隼
(三)西村(鵡)
(二)佐々木駿、阿部(鵡)
室蘭工業
244 531
打 安 振球失
2710250
鵡 川
昨秋支部代表でシードの鵡川が好発進。4点先行の六回に西村の適時2点三塁打を含めた打者一巡の猛攻で点差を広げた。投げては稲葉、西川が継投して零封。室工は散発の4安打で好機を築くことができなかった。
捕手兒島 奮起の打撃
主戦の頑張りに応える
駒大苫
駒大苫の捕手兒島(こじま、3年)が名誉挽回の活躍を見せた。一回の守備時に暴投で先制点を与え、「浮き足立っていた」と反省。自信を持っていたバッティングでも、2打席まで凡退と打ちあぐんでいた。
第3打席は、五回1死満塁の大チャンスで回ってきた。バットを振り出すタイミングの取り方をすり足気味に変える試みがはまり、走者一掃の二塁打をはじき返した。「正直ほっとした。つなぐバッティングができた」と喜びがにじんだ。
小雨が降りしきる悪条件の中、力投する北嶋(3年)の存在も大きかった。四回に相手守備の緩慢な動きを見逃さずヘッドスライディングで本塁生還を果たしたエースの貪欲な姿勢を目の当たりにし、「自分も頑張らないと」と発奮した。
昨年秋の支部予選では三塁手を担っていたが、中学時代に捕手だった実績を買われ今大会から捕手に就く。次戦では「無失点にこだわって、投手陣をリードしていきたい」と力強く語った。
好投手攻略
糸口つかめず
道栄
苫小牧中央の主戦根本を攻略できなかった北海道栄打線は散発の5安打にとどまった。失策も目立ち、糸瀬監督は「ミスで流れが持っていかれてしまった」と語った。
根本の多彩な配球に翻弄(ほんろう)された。「初球のスライダーを狙え」との糸瀬監督の指示も、コース外から大きく変化する球筋に各打者が手を出せず、次々と追い込まれた。遊撃手の2番で打席に立った主将の伊藤は「ストレートの質も違った」と話す。
先発の印南は四回に制球が乱れて3失点し、「球が浮いてきて、低めを意識したけれど、合わせられた」と悔しがった。
代替大会という特殊な状況に挑んだ全力の夏が終わった。糸瀬監督は「最後まで悔いのないプレーを見せてくれた。それぞれ次の目標に向かって頑張ってほしい」とメンバーをねぎらった。
気迫あふれる鵡川野球
攻守に圧倒、コールド発進
前年度秋季大会支部代表のシード校として第4日に満を持して臨んだ鵡川。第2日の19日に1回戦を突破していた室蘭工業を要所の加点と零封で押し切った。鬼海監督が「自分たちのやりたい野球はできていた」と言うように、攻守に持ち前の気迫あふれるプレーで圧倒。コールド勝ちと好発進した。
新型コロナウイルスの影響で6月からようやく部活動を再開。例年になく数少ない練習試合では「無失点や大量得点の展開は一度もなかった」と言う鬼海監督だが、「ここ一番でこういう結果になったのは、日ごろの積み重ねの成果」と一定の手応えを受け止めていた。先発した主戦の稲葉(3年)は「野手のみんながしっかり流れをつくってくれたから、0点に抑えられた」と語った。
続く支部代表決定戦でもモットーの全力疾走野球を貫き、南大会切符をつかみ取る構えだ。稲葉は「きょうは制球が甘かった。次は満足のいくピッチングがしたい」と気を引き締めていた。