新型コロナウイルスの影響による臨時休校が明け、苫小牧市内の小中学校で通常授業が始まってから1カ月半が過ぎた。この春、苫小牧東小学校の6年生に進級した矢野柚依(ゆい)さん(11)=王子町在住=は「学校に毎日通えて、とてもうれしい」と顔をほころばせる。
両親と2歳の弟の4人暮らし。元来、読書や折り紙など室内での遊びを好む性格。それでも、最初に臨時休校がスタートした2月27日から5月31日までの通算約80日間にわたって学校が休みになり、自宅にこもってずっと弟と一緒に過ごした日々に、ストレスを感じていたという。
それだけに、学校が再開してからは毎日が充実している。放課後に友達と遊んだり、家で一人で過ごしたりする当たり前の時間も戻ってきた。「いつどうなるのか分からない―という気持ちがいつもあるけど、今は手洗いや消毒、人が多いところに行かないなど、できることをするしかない」と語った。
学校生活もコロナ前とは少し変わった。これまではグループをつくって一斉に取り組んでいた理科の実験は、2人1組で順番に行うスタイルに変わった。音楽の授業でリコーダーを学ぶ際、教室内では指を動かす練習のみで、吹いて音を出すのは屋外で行うようになった。給食中のおしゃべりもなくなり、5年生までと比べると授業の進度も急激に速くなったように感じている。
「学校に行けるだけでいい」と思う一方で、ふと「コロナが流行して、また学校が休みになるのではないか」と不安も頭をよぎるという。今年は小学校生活最後の年で、秋には函館方面での修学旅行も控えている。「これ以上学校が休みになったら取り返しがつかない。それは本当に悲しいので、そうならないでほしい」と願う。
(姉歯百合子)