〔5〕選定図書

  • 子どものための選定図書, 特集
  • 2020年7月20日

  【小学校高学年向け】

  「プラスチック・プラネット

  今、プラスチックが地球をおおっている」

  著 ジョージア・アムソン/訳 大山泉

   最近、お菓子の包装が紙パッケージになっているものがあるのを知っていますか? 今、プラスチックのごみが大きな問題になっています。

   この本は、プラスチックごみが海でたくさんの生き物の命を奪っていることや、リサイクル率の低さから、埋め立て地が不足している問題などを分かりやすく紹介してくれる絵本です。多くの人がエコバッグを使い、ごみの分別にも気を付けています。しかし、フリースなどのプラスチックを原料とした衣類を洗うことでも、細かいプラスチック繊維はろ過されず流れ出しているということはこの本を読むまで知りませんでした。

   プラスチックごみの問題に対する答えは簡単ではありませんが、この本を読むことで答えが見つかるかもしれません。

   (評論社 税込み2420円)

   苫小牧錦岡小学校

   鈴木祐亮

  【小学校高学年向け】

  「命のものさし 

  動物の命・人間の命・わたしの命」

  作 今西乃子/写真 浜田一男

   獣医師は「将来なりたい職業」として子供たちに人気の職業です。命を救う仕事「動物のお医者さん」は憧れの的です。

   しかし、動物の命を救うことだけが獣医師の仕事ではありません。この本は、愛媛県立とべ動物園の園長を務めた渡邉清一さんが公務員獣医師として、狂犬病予防員・と畜検査員そして動物園獣医師になり働いてきた42年間について書かれたノンフィクションです。

   渡邉さんは、野犬駆除・食肉となる牛・保護処分される犬猫など、人間のために動物の命を絶たなければならないことに悩みます。

   さまざまな動物たちの「死」に向き合い、獣医師として「命」について問い続ける姿が、本を読んだ後も余韻として残りました。将来獣医師を目指す子供たちにぜひ手に取って読んでほしい一冊です。

   (合同出版 税込み1650円)

   苫小牧錦岡小学校

   鈴木祐亮

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