「たら」「れば」の話は不快に思う人がいるかもしれない。それでもあえて持ち出すのは、最近の新型コロナウイルスの感染者の拡大が尋常でないと思うからだ。
16日の国内の新規感染者は622人。東京、大阪、埼玉は国の緊急事態宣言が解除された5月25日以降、最多。全国で600人を超えるのは、4月11日以来ほぼ3カ月ぶりとなる。
感染者の累計は2万4316人。死者は998人。数字から見た致死率は4・10%。道内は感染者1306人、死者102人で致死率7・81%にはね上がる。100人が感染するとしたら全国で4人、道内では7~8人が残念ながら亡くなる計算だ。コロナ被害が世界で最も深刻とされる米国(感染者346万5000人、死者13万6900人)の致死率は3・95%。これらの数字をどう捉えるか。
手洗いやうがい、3密回避がコロナ感染防止の鉄則だが、やむなく感染し、重症化した場合、命を守るための最後のとりでとなるのが人工心肺装置「エクモ」だと言われる。ただ、高額な機器だけに4月末現在、全国に1400台、道内に48台しか導入されていないそうだ。24時間稼働させるには医師や看護師、臨床工学技士など十分な医療スタッフも必要になる。
コロナは医療機関にも打撃を与え、経営的な余裕はない。国民の命を守るため、どこまで手を尽くすか。政治の責任は大きい。(教)