道の鈴木直道知事は16日、新型コロナウイルス感染症対策の最前線で業務に当たる千歳保健所(森昭久所長)を訪れ、千歳市内のグループホームや医療機関など5施設で相次いだクラスター(感染者集団)の対応について報告を受けた。
千歳保健所が1月24日~7月10日に受けた相談は5097件。管内3市(千歳、恵庭、北広島)や道庁から4、5月の応援人数は1日最大24人、延べ665人に上った。
知事は「保健所は道民の健康を守る要。今後の波に備え、皆さんが集中できる体制にし、本庁機能を強化する。皆さんの経験を情報共有したい」と激励。「東京都庁時代は疾病対策課で難病者の入院受け入れを担当していた」とも話し、医療現場の苦労に理解を示した。
森所長が管内の新型コロナの感染状況を報告。鹿野令子健康推進課長は、陽性の告知や動揺する患者に配慮しながらの疫学調査、移送の調整と搬送車への同乗、消毒など一連の業務を振り返り、「常に緊張感とスピード感が求められ、疲労が蓄積していく中でも、スタッフは患者さんに分かりやすく状況を説明し、安全に病院のケアを提供できるよう頑張ってくれた。この経験を今後の活動に生かしていきたい」と述べた。
知事は感染者搬送で活躍した車両を見学し、岩見沢保健所へ向かった。