苫小牧工業高ハンドボール部は、新型コロナウイルスの影響で中止になった高校総合体育大会(インターハイ)室蘭支部予選を代替する来月の大会に向けて練習に励んでいる。チームは同予選で昨年までに8連覇していた。8人いる3年生にとっては集大成の舞台となり、その中の一人でライトウイング熊谷充将は「最後の大会にすべてをぶつけたい」と抱負を語った。
今年のインターハイは各種の高校スポーツの例に漏れず、全道予選と全国大会が新型ウイルスの影響で中止となった。こうした状況下、6月下旬、3年生の救済策として室蘭支部予選の代替大会が8月5日から室蘭市で行われることが決まり、チームに喜びが広がった。支部予選は昨年までに8年連続優勝を達成していたが、小田健介監督は「インターハイがあるつもりで試合に臨みたい」と意気込む。
今年度の練習は感染防止のための自粛が続いて進まず、メンバーの体力面への影響は大きかった。小田監督は「スタミナはかなり落ちていた。取り戻すのはかなり大変だった」と話し、熊谷も「パスの感覚が鈍っていたり、肩を痛めやすくなったりと、影響は少なからずあった」と振り返る。
1~3年総勢29人の苫工ハンドボール部は来年度をにらんで世代交代をすでに進めていた。新主将としてライトバックの藤原渉(2年)を抜てき。藤原は「チームをまとめられるかプレッシャーと不安が大きいが、8月の大会で優勝して3年生の花道にしたい」と支部大会”9連覇”への抱負を語る。
現在は3年生を含めたフルメンバーの練習が精力的に進行中だ。コートプレーヤーは、ディフェンスのフットワークが課題。体力や足腰の筋力強化が要求されている。オフェンスではパスワークを重点化していて、小田監督は「速いパスで数的優位をつくることが、オフェンスのカギになる。キーパーは対戦相手の速いシュートに対応できるよう鍛えていく」という。
新型コロナの影響が広がりだす前の今年1月に出場した全道新人大会でチームは1回戦敗退。メンバーはその雪辱を代替大会で晴らそうと意気込んでいる。熊谷前主将は「チーム全員で戦い抜きたい。笑顔で大会を終えたい」と力強く語った。