往年の青春記

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年7月14日

 75年前の1945年7月14、15両日に北海道空襲があった。翌月15日に関し、〈講堂に集合させられ、玉音放送を聴いた〉と記した人がいた。旧制苫小牧中学生徒だった辻幸雄さん。

 10代で時代の激変に直面し、〈戦時軍国主義から平和主義へと百八十度の転換が行われ、先生方もわれわれ生徒も大いに戸惑った〉。「文武両道―旧制苫小牧中学校、苫小牧高校、苫小牧東高校七十年史」(西北社、2009年)に載る回想。先月29日に88歳で逝去した。母校で教員を務め、野球部を4度甲子園に導いた。まだ監督現役の1990年代初頭に取材させてもらい、選手の能力を見抜く眼力や野球理論の話には何度も得心した。温和な人柄にふさわしい「まる辻さん」の異名があった。

 同高校野球部発足の46年に生徒の辻さんは入部。不自由な食糧事情から部員専用の畑を作った逸話や用具調達の苦労に回想記で触れる。野球帽はなく、学生帽や兵士の戦闘帽をかぶり、スパイク代わりの地下足袋―。千歳に進駐した米軍と試合を行い、もらったグラブを4年間使った。〈このような時代にもかかわらず、空腹を抱えながらも野球に青春をぶつけたのは、今思うと不思議なぐらい〉

 夏季高校野球南北海道大会室蘭支部大会が18日に開幕。コロナ禍の時世で前代未聞の状況が続く中、同大会に10代が挑む。元球児の辻さんなら、空からきっと応援してくれているに違いない。(谷)

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