国立アイヌ民族博物館は基本展示に加え、特別展示室で開館記念特別展「私たちが受け継ぐ文化」を始めた。当初計画では、期間は開業から2カ月間だったが、2度にわたる開業延期を踏まえ、11月8日までロングランで開催することに。現代の優秀な工芸師の作品などが目を引いている。
アイヌ語や民具、芸能の継承などをテーマに、刺しゅうや木彫など伝統的なものから先鋭的なものまでずらりと並ぶ。図書資料なども展示。テレビ番組「情熱大陸」でも紹介された、平取町の貝澤徹氏の木彫「アペフチカムイ~火の神様」などが目を引く。
先住民族アイヌに対する和人の同化政策で、アイヌ語が生活から失われた歴史などをパネルで紹介。長野県の会社役員中山繁雄さん(70)は「アイヌが差別されてきた歴史など、ここで分かることがたくさんあった。神が宿っている感動的な作品も多い。1時間では回り切れないので何回も来たい」と話していた。