―ウポポイで働くきっかけは。
「大学の4年間、地元の白老町を離れ、『もっと生まれた町や自分のルーツについて、自信を持って話せるようになりたい』と思い、アイヌ文化に関わるようになったことがきっかけです」
―どのような準備をしてきましたか。
「これまでの期間は主に『ウエカリ チセ』(体験交流ホール)で上演プログラムの準備を進めてきました。昔の映像や音声の資料から復元をして、さまざまな地域の伝承者に協力をいただいて踊りや歌を教わりながら、一つ一つの演目を作り上げてきました」
―アイヌ文化を伝える上の苦労や工夫は。
「苦労しているというか、難しいと感じているのは、想像して表現することです。創作プログラム『イノミ』では、さまざまな年代や地域の踊り、歌などを学び、私たちが新しくつくっていく『イヨマンテ』という儀式を表現しています。過去の再現ではなく、過去に学び、これからのアイヌ文化を創造していくことを目指しています。答えがあるものではないと思っているので、チーム全員でいつも考えながら、どのように表現したらいいか模索しています」
―ウポポイで自分が伝えたいこと。
「ウポポイではさまざまなルーツを持った人たちが力を合わせ、アイヌ文化を守り、学び、育てています。私は歌や踊りを通してですが、仲間が一つになってつくり上げている舞台から感動や魅力を伝えられたらと思っています。すでにアイヌ文化に興味を持っている方も、これから知りたいと思っている方も、一緒にアイヌ文化を学び育てていけるような場所になればいいなと思っています」